2019-11-21
<Vol.152>
☆推薦文☆
日々の医療で出会ったクリニカルクエスチョンを、適切な形で解決し、論文として報告することは、とても大切なことですが、誰もができるわけではありません。ただ漫然と診療しているだけでは、疑問にすら思わないものです。鵜飼先生は、地域医療の最中に受け持った小児の発熱患者がサフォードウイルス感染症であることを突き止め、詳細な臨床的・ウイルス学的検討を加えた結果、この聞き慣れないウイルスが地域で流行していた事実を明らかにしました。さまざまな制約がある中での仕事だったと想像しますが、それをきちんと論文としてまとめ上げたことはなにより立派です。また、多くの人たちが鵜飼先生に協力してくれたことが分かります。大きな仕事は自分ひとりで成し得るものではありません。周りの人の協力が得られるというのは、それなりの努力と力量の証しです。地域医療、論文執筆、学位取得という、卒業生のまさに1つのロールモデルとして、ますますの活躍が期待されます。
自治医科大学総合診療部門・附属病院総合診療内科/感染症科 畠山修司
<特別号>
自治医科大学内科学部門 呼吸器内科学講座・水品佳子助教、分子病態治療研究センター 炎症・免疫研究部・唐澤直義助教、高橋将文教授、薬理学講座臨床薬理学部門・相澤健一准教授らの研究チームは、マクロファージを強酸刺激することで誘導される、インフラマソーム非依存的なIL-1βプロセシングの新規メカニズムを発見し、その研究成果がThe Journal of Immunology誌(203:236-246, 2019)に掲載されましたので、水品氏に研究の意義と経緯を伺いました。
論文著者:Mizushina Y, Karasawa T, Aizawa K, Kimura H, Watanabe S, Kamata R, Komada T, Mato N, Kasahara T, Koyama S, Bando M, Hagiwara K, Takahashi M.
論文題名:Inflammasome-Independent and Atypical Processing of IL-1β Contributes to Acid Aspiration-Induced Acute Lung Injury.
掲載雑誌:J Immunol. 203:236-246, 2019.
http://www.jimmunol.org/content/early/2019/05/17/jimmunol.1900168.long
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