2021-04-02
<Vol.169>
義務年限期間中の臨床研究論文作成
納屋 樹 都立多摩総合医療センター外科/神津島村国民健康保険直営診療所(東京都36期卒業)
☆推薦文☆
納屋樹先生、臨床研究論文acceptおめでとうございます。納屋先生の粘り強い努力の賜物だと思います。本論文は急性虫垂炎患者の術前総ビリルビン値(T.-Bil)の上昇と2つのCT所見(糞石または虫垂周囲脂肪織の毛羽立ち像)の組み合わせにより緊急手術が必要となる壊疽性虫垂炎の術前診断が可能であることを示しています。私は消化器外科研修医時代から現在に至るまで数多くの急性虫垂炎患者の診療に携わってきましたが、手術適応を考えるときに術前総ビリルビン値に着目したことはありませんでした。急性虫垂炎は外科医にとっては診断治療法がほぼ確立したcommon diseaseですが、納屋先生は総ビリルビン値の上昇に着目し、とてもユニークな論文となっています。私も本論文のお手伝いをさせていただき大変勉強になりました。日常診療の合間に論文を作成するのはとても大変ですが、自分の気づきや考えを論文発表できることは非常に素晴らしいことだと思います。“academic surgeon”を目指して、ますますのご活躍を期待しております。
堀江久永 外科学講座 消化器一般移植外科
詳しくはこちらをご覧ください。