2020-04-01
<Vol.157>
脊髄終糸嚢胞の臨床像―学位取得に至るまで―
瀬尾恭一先生は山形県で初めて自治医大での後期研修を取得し、小児脳神経外科で1年間研修されました。当科で外来紹介受診する最も多い病態に仙尾部の皮膚陥凹があります。その検査で時々発見されるのが「終糸嚢胞」ですが、これまでは「正常亜型」と信じられ臨床的意義が重要視されず正確なデータがありませんでした。そこに注目し臨床データをまとめ発表したのが今回の論文です。研修終了後、山形で内科医として地域で勤務しながらデータと向き合って論文化し、今回学位取得まで成し遂げました。ちなみに後期研修の翌年には脳神経外科専門医も取得しています。瀬尾先生の強い信念と、綿密な計画と、周囲の卒業生への配慮と、彼らからの厚いサポートのおかげだと思います。素晴らしいロールモデルとして多くの卒業生の参考になると思います。
自治医科大学とちぎ子ども医療センター小児脳神経外科 五味 玲
<特別号>
アセトアミノフェン急性肝不全の病態を解明 -肝疾患におけるフェロトーシスの役割-
自治医科大学分子病態治療研究センター 炎症免疫研究部・山田直也大学院生、唐澤直義助教、高橋将文教授、消化器一般移植外科、東北大学農学部・仲川清隆教授、昭和大学薬学部・原俊太郎教授らの研究チームは、アセトアミノフェン急性肝不全が新規細胞死であるフェロトーシスを起点に発生することを発見し、その研究成果がCell Death & Disease誌(11:144,2020)に掲載されましたので、山田氏に研究の意義と経緯を伺いました。
論文タイトル:Ferroptosis driven by radical oxidation of n-6 polyunsaturated fatty acids mediates acetaminophen-induced acute liver failure
論文著者:Naoya Yamada, Tadayoshi Karasawa, Hiroaki Kimura, Sachiko Watanabe, Takanori Komada, Ryo Kamata, Ariunaa Sampilvanjil, Junya Ito, Kiyotaka Nakagawa, Hiroshi Kuwata, Shuntaro Hara, Koichi Mizuta, Yasunaru Sakuma, Naohiro Sata, Masafumi Takahashi (Corresponding author)
掲載雑誌:Cell Death & Disease http://www.nature.com/articles/s41419-020-2334-2
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